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ビデオセルフモデリングによる吃音治療

吃音
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 今回の事例はビデオによるセルフモデリングの事例になります。参考にした論文はこちら

 ビデオセルフモデリングとは、自分で話している場面を動画で撮影して、流暢に話せている部分だけの抜き出して、繰り返し視聴するというものです。

 このビデオセルフモデリングで吃音が改善できるという理由として下記の理由があります。

  • 自己効力感の向上
  • 観察による具体的スキルの学習
  • 自己観察に基づく自己制御力への影響

 海外ではこのビデオセルフモデリング(VSM)を実施する際に、対象者に自分の話し方に注意をむけさせ、また実際に映像のように話すようにと教示を行うことで発話症状が改善していることが報告されています。

ビデオセルフモデリングに事例
訓練の経過とVSMの導入時期

今回は初めからVSMを取り入れたのではなく、初めに流暢性発話スキルを獲得して、その後にVSMを導入しています。下の図を見てもらうと訓練の経過がわかりやすいです。(図をタップすると拡大できます。)

訓練経過を箇条書きで補足しておきます。

  • 初めの4か月は流暢性を獲得するための直接的発話訓練を行った
  • 訓練から4か月後からVSMを導入
  • VSM導入から4か月(訓練開始から8か月)で治療終了
VSM導入の流れ

 VSMを導入した手順について紹介します。

  • 文章音読・自由会話・電話場面で話している場面をデジカメで撮影
  • 吃音症状のない部分のみを抽出・編集して合計3分程度のビデオを作成
  • 週3~5回程度の視聴で4か月行った

 上の図で注意すべきポイントは「VSM視聴時の感情」です。一度、VSMを再導入しています。これは1度目の完成されたビデオを見たときに「嫌」という感情が大きかったので、作り直しになっています。

 「恥ずかしい」という感情はもちろんあると思います。その感情ではなく、「吃音症状がでている自分が嫌」という感情になるのはNGです。こうなると、マイナスの印象を与えてしまうので吃音症状が強くなる可能性があります。

 ビデオを見たときの印象としては、「意外と上手く話せているな」と感じて自己肯定感が増す状態が最適です。

訓練の結果

 VSMを導入した結果が下の図にようになっています。

※VSM-Pre:VSM導入前(訓練開始から4か月後)、VSM-Post:VSM導入後(訓練開始から8か月後)

 この論文に書かれている考察に参考になるポイントがあったので紹介します。自分に話しているビデオを作成するときには以下の点を考慮しないといけません。

  • 肯定的な感情が喚起されるか
  • 流暢に話せることを思い出せるか
  • その話し方に好感がもてるか
  • 映像のような発話を望むか
  • 発話が自然に聞こえるか

 この5点を評価したうえで視聴する映像を決定しないといけません。 

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