この記事では、吃音治療に関する「ロードマップ(方針)」になるような内容に触れていこう思います。
この記事を読み終わると、「なるほどな!確かにそうかも」「これからこうすればいいだな!」っていう方向性が明確にできると考えています。
僕が元々、かなりの吃音者だったので、方法論だけでなく、心情にも触れた内容になっています。
まず、これが超重要ですが、吃音が出る原因は『発話への意識』です。つまり、「この言葉を出さないと!」っていう「話す」ことへの意識です。
この原因については、ここでは紹介しませんが、たくさんの証拠になる論文がでていたりします。
感覚的にも「発話への意識」が外れると吃音が出にくくなります。例えば、こんなシチュエーションの時が当てはまります。
吃音がある人は、何か話す時に「この言葉を話さないと!」って感じてしまいます。 では、これを吃音治療によってどうするのか?を説明します。
まず、第一に「吃音」について深く知る必要があります。吃音者からすると、吃音はめちゃくちゃ身近な悩みだけど、その正体に関してはあまり知らないのが現状です。
例として、この質問に答えることができますか?
みたいな、ちょっと専門的な質問ですがこのへんの深さまで知っておくべきだと考えています。
知識をしっかり身につけることで、吃音治療を深くまで理解することができます。言い換えるなら、確信をもって治療に取り組むことができます。
イメージしてみてください。もし、この二択があればどちらの場合に本気で取り組みますか?
どう考えても。後者の方が積極的に治療を行いますよね。一部では「吃音は治らない」とも言われているので、吃音治療の効果にそもそも疑問をもっている人もいるかもしれないですね。
でも、僕自身が改善したことと、論文を探しても改善例は割とでてきます。なので、吃音が治らないということはないと思っています。
知識がないと、疑いながら吃音治療に臨むことになるので、おそらく結果もでにくいでしょう。なので、一番にすることは知識をつけて、確信をもった状態で治療を行うということです。
吃音があると、上手く話せていない自分がかなり印象深く刻み込まれます。まずはこれを取り除かないといけません。
手法はたくさんあります。例えば「シャドーイング」「リズム発話」「マスキング」「斉読」etc…
こんな感じの手法を使って、吃音がない話し方を体に覚えこます。ここでは、脳で理解するのではなく、体が覚えることが大事です。
吃音者だけにわかる感覚で説明をするなら、独り言でスムーズに話せるような感覚が常にある状態というとわかりやすいかもしれませんね。
もし、お子さんが吃音をもってる親御さんだと上の表現はしっくりきませんよね。
自転車の練習をイメージするとわかりやすいです。自転車に初めて乗る時は「バランスをとる」「ペダルをこぐ」「ハンドルを操作する」みたいなことをいちいち意識していましたよね。でも、自転車に乗れるようになったら、無意識で乗れてしまいます。
感覚的にはこんな感じです。上手く伝わったかわからないですが、次に進みますね!
予期不安を消す
次は、ベースができたら実践です。ベースができているので、実践で吃る回数が少し減っているかもしれませんね。
あとは、日常の中でどれだけたくさんの数を試していくかという経験の数になります。
緊張しない場面では吃音がでないけど、緊張する場面では吃音がでるというのは、予期不安によるものも原因として大きく占めています。予期不安っていうのは緊張する場面での「うまく話せるかな?」っていう不安のことを言います。
いきなりすべての場面で吃音が出ずに話すことは難しいと思いますが、吃音がでる場面が少なくなっていけば、自信がでてきます。それに伴い予期不安も解消されていきます。
これも吃音者にしかわからない感覚だと思いますが、話す直前に「あ、言葉でないかも」っていうのがわかります。逆に、スムーズに言える時も「スムーズに言えそう!」っていう感覚があります。
これがどの場面でも、「スムーズに言えそう!」になれば吃音が治ったと判断できるのではないでしょうか?
僕が吃音治療をした経験としてはこんな感じでした。参考になればと思います。