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スピーチ・シャドーイングでの自宅練習

吃音
この記事は約4分で読めます。

 「1日○○で簡単に吃音が治ります。」もし、こんな商品があったらかなり怪しいですよね。

 でも、論文をいろいろ探していると、しっかり成果がでている方法があったので紹介します。その方法がスピーチ・シャドーイングです。

 今回紹介する方法では、3か月の実験終了後では約75%程度が改善していて、その後も成果が続いていることがわかりました。なので、一時的な改善方法というよりも一度改善するとその後も改善した状態が続く方法であるとも言えます。

 しかし、それには注意して見るべきポイントもあるようなので、そこもまとめて紹介します。ちなみに、その論文というのがこちら

「シャドーイング」は吃音治療の一部

 今から「シャドーイング」を紹介します。でも、絶対に忘れてはいけないことがあります。

 それは「シャドーイング=吃音治療の全て」ではないということです。

 僕は「吃音治療マニュアル」を作りましたが、シャドーイングで問題が解消できる部分と、できない部分があります。

 当然、「吃音」と一つの症状にまとめても、その状態は本当に様々です。

 常に吃音がでる。発表の時だけ吃音がでる。ある特定の場面の時だけ吃音がでる。逆に、本読みは不思議と吃音がでない。なんて人もいました。

シャドーイングは万能薬ではない

 たまに「シャドーイングだけすれば治りますか?」を質問されることがありますが、そんなことはありません。

 シャドーイングは効果的な治療方法ではありますが、吃音治療全体の一部です。

 実際に、今回は僕が見つけた事例の中でも一番いい結果の事例を紹介します。

 一番結果の良かったものを紹介する目的としては「このくらい効果が期待できるよ!」という希望を示したいからです。

 しかし、この事例と同じような成果が100%起こるわけではありません。実践した人によって背景情報や、事前知識がどのくらいあるのか、過去に吃音治療をした経験があるのか?といった部分も成果に関係してきます。

 それを踏まえて事例を見てくださいね。

自宅でできる吃音治療「シャドーイング」の方法

 今回、紹介するスピーチ・シャドーイングとは、連続で再生する音声を聞きながら、それをできるだけ遅れることなく、その音声を口頭で再生(復唱)する行為のことをいいます。

この研究のポイント

スピーチ・シャドーイング中は一時的に流暢に話せるが、他の場面になると同じように話せるのか?という問題がありました。

なので、今回の研究では3か月間自宅で訓練をしてもらって、その後14か月後も吃音の改善が維持されているのか?を検証しています。

 今回の訓練の方法を箇条書きでまとめます。

  • 自宅で1日10分程度のスピーチ・シャドーイングを行う
  • モデル音声は特に指定せずに自由に選んでもらう(今回はラジオニュース)

方法はこれだけなので、かなり簡単で取り組みやすい方法になっています。

● 今回の研究の対象となった人の特徴

症例:30歳代男性1名。大学卒

主訴:「重い吃音がある。自由に言葉の言い換えができなる状況ではよく話せるが、それができない状況では話せなくなる。特に、母音、破裂音、濁音が言いにくい」困難を感じる場面として、挨拶、自己紹介(姓が母音で始まる)、初対面の人と話すとき、電話や面接の場面などが挙げられた。

発吃:2歳ごろ

家族歴:家族に吃音者はいない

シャドーイングの結果

この訓練の結果は5回評価をされました。その訓練経過が下の時点になります。

  • 訓練開始時
  • 訓練開始1か月後
  • 訓練終了時(訓練開始から3か月後)
  • 訓練終了から3か月後
  • 訓練終了から14か月後

この経過で評価をしている。下の図をもてもらうとわかりやすいです。

 実際の論文ではもっと、細かく評価をしているのでですが、ここではわかりやすいと感じたものを2つだけピックアップします。もし、他の結果も興味があれば、こちらから見れます。

■ 100文節当たりの吃音中核症状生起数

 100文節あたりに吃音がどのくらい出たのか?ということ表す結果になります。訓練を3か月行って、その後3か月たってもほとんど気にならないくらいの結果になっているのがわかります。

 また、訓練自体は3か月間の期間でしたが、1か月間でもかなりの成果がでているのがわかります。

 1日たった10分を1か月間くらい返すだけで、気にならない程度に完全するのであれば、すぐに始めてみるのがいいかもしれません。

■ 発話に関する自己評価

 この結果からわかることは、訓練終了から14か月後でも効果が落ちずに、吃音が改善された状態続いているということです。

 初めは自分の話し方に3点しかつけることができなかったけど、訓練終了後は安定して8点や9点というった高水準で推移しているので、自分でも満足できているのがわかります。

僕の個人的な考察

 これは1症例だけなので、全員に同じような効果が期待できるのかはまだ不明な点であるといえますが、この実験のメリットとして

  • 一人で簡単に自宅でバレずにできること
  • 効果が1か月程度と早く期待できること
  • 訓練終了後も持続が期待できること

 この3点がやはり、魅力的なポイントだと感じています。

 この論文にも書いていましたが、14か月後も維持できたポイントとしては、吃音による予期不安が減少していたことで、積極的に緊張することなく話すことができたことが大きいようです。

 「吃音が改善する → 自信がでる → 不安や緊張が減少する → 吃音が出にくくなる」といった好循環が作り出すのか吃音改善のポイントになると再確認できますね。

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