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吃音の予期不安の解消について深く理解する

吃音
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 今回は「予期不安」について詳しく解説します。僕は予期不安は吃音の最大の原因だと考えています。

 なので、「予期不安」というフワッとした抽象的なものを、的確に理解しないといけません。

 おそらく多くの人の予期不安の解消のイメージは

 シャードイングやイメージトレーニングをすると、

 実際に話す時は、話す直前に「吃音がでたら、どうしよう」不安に感じながらも、吃音独特のあの詰まる感じの緊張をせずに話すことができる。

 って考えていると思います。

 でも、僕の感覚はちょっと違うくて

あ、さっき話した時は「吃音がでたら、どうしよう」ってことも考えてなかったな

って感じです。よくいう「吃音を忘れた」というか、「吃音を意識することもなかった」って感覚です。

「予期不安」は結果

 結果から言えば「吃音がでたらどうしよう」って感じることが自体が「予期不安がある」ってことです。

 もし、予期不安がなければ「吃音がでたらどうしよう」という不安・心配すらも考えません。考えたとしても、一時的ですぐに忘れてしまいます。

 つまり、「吃音がでたら、どうしよう」という予期不安は、今のあなたの思考パターンの結果です。

 なので、短期的な解消は基本的にはできません

 「緊張を和らげる」「何回も話す練習をする」で、浅い部分での短期的な改善は見込めますが、より深い部分の思考パターンを変えるという改善ではありません。

「シャドーイングに慣れた」という感覚に近い

 この話は感覚的なものなので、説明が難しいのですが、例えとしてわかりやすいのが

「初めはシャドーイングでも詰まることがあったけど、最近はシャドーイングに慣れてスラスラできる」

 っていう感覚に近いです。

 状況からの客観的な判断をすると、初めの「シャドーイングでも詰まることがあった」というのは予期不安があったと判断ができます。

 そして、しばらく練習して「最近はシャドーイングに慣れてスラスラできる」予期不安が解消されたと判断できます。

 もしかしたら、初めの段階でも「予期不安っていう程度の緊張はなかった」と感じる人もいるかもしれません。

 でも、予期不安っていうのは”無意識”の緊張です。無意識なので、自分で認知できるものレベルでの話はあまり信憑性がありません。

 シャドーイングに慣れた人からすると、シャドーイングをする時に「吃音でるかな。。。」ってことすら考えないと思います。

 日常の会話でもこの感覚になった時に、結果として予期不安が解消されている。と判断ができます。

「予期不安の解消=思考パターンを変える」は時間がかかる

 事実として、理解しておかないといけないことがあります。

 それは、予期不安の解消、つまり、思考パターンを変えるにはある程度の期間が必要であるということです。

 0か100みたいに一気に変わるものではないので、思考パターンの移行期間と言えるかもしれませんね。

 目安として、吃音者から非吃音者レべルになるまでは、めちゃくちゃ早くて半年、頑張って1年3~5年かかっても普通。って言うのが現実的です。

 こう言うと「5年も吃音に悩むのか。。。」って感じる人もいるかもしれませんが、その理解は間違っています。

 吃音治療を続けることで今より徐々に改善していって、かなり改善した状態だけど、非吃音者レベルではないって感じです。

 正確な数字は忘れましたが、非吃音者のレベルって吃音が全体の言葉の3%以下だったと思います。

 吃音治療の改善のイメージは下の図のような傾向です。感覚的には、昔よりだいぶマシだけど、あと、もうちょっとなんだよなーって感じですね。

「予期不安の解消」はその状態になるのを待つ

 結果的に、今の僕やあなたができるのは、1日1日ポジティブな経験を増やして、ネガティブな経験を減らす。そして、思考パターンを変える。ということしかできません。

 本当はもっと裏技みたいな一瞬で効果のあるものがあればいいですが、残念ながら地道な方法しかありません。

 少し前の自分はシャドーイングでも詰まっていたけど、今はシャドーイングで詰まることなんてほとんどない。

 こんな感覚で、気づけば日常の会話でも、ちらほら「あ、最近吃音がへったかもなー」と思うことが増えていきます。

 それこそが「予期不安の解消」そのものです。

苦手な言葉は最後に予期不安が解消される

 多くの人は「名前」「挨拶」「固有名詞」といった特定の苦手な言葉があります。

 この苦手な言葉をスラスラ言えるようになりたいっていうのはすごくわかるのですが、この苦手な言葉の予期不安が解消されるのは最後の方になります。

 きっと、今よりも「あ、言えた」って回数は増えてくると思いますが、高い水準で安定するのは日常の会話の中でも割と最後の方になります。

 少し時間はかかりますが、地道な吃音治療が必要になってきます。

「改善」を「改善」と認識できないことは問題だ

 吃音に悩む人であれば、全員が「予期不安がない状態には早くなりたい」と思うはず。

 なので、僕がやりとりをさせてもらって気づいた「予期不安の解消」を妨げてる思考・行動を1つ紹介します。

 それが「『改善』を『改善』と認識できてないこと」です。

 脳の思考パターンを変える要素には、経験の「回数」と「感情」が関係します。

強い感情が伴った経験が少ない回数で思考パターンが変わりますが、感情が伴わない経験で思考パターンを変えるにはたくさんの回数が必要です。

 つまり、客観的にみると、改善傾向になのに、本人は「ん~、あんまり成果がでてないんです。」ってパターンはせっかく改善しているのに、感情が伴っていないから思考パターンが変化しづらいということです。

 例えば、「シャドーイングは慣れて、予期不安なくできます。でも、日常での会話では予期不安が消えません。。。」っていうメッセージをもらいます。

 このメッセージに込められた感情は、おそらくネガティブな感情です。

 でも、客観的な事実しては「シャドーイングでは予期不安が解消された」です。これはせっかく改善傾向なのに、成果を阻害しています。

 より早い成果を望むのであれば「シャドーイングはできるようになった!日常の会話でも少し吃音頻度が減ったかもしれません!」みたいに「ポジティブな経験に焦点をあてる」という解釈をする方が理想的です。

「ポジティブな経験に焦点を当てる」という思考パターンをつくる

 もし、今のあなたが「悪い部分に焦点を当ててしまう。。。」「ちょっとネガティブ思考なのかもしれない」と感じていても、それは問題ではありません。

 1つの出来事に対する解釈すらも過去の経験から学習した思考パターンです。

 つまり、今からその思考パターンを作り替えればいいだけです。

 例えば、「何気なくさらっと言った一言」や「普通の日常会話」を思い出してみると、全然普通にスラスラ話せた場面はたくさんあるはず。

 こういうスラスラ言えた経験に対して、ポジティブな感情を紐づけることは少ないと思いますが、初めは意識的に紐づけてみてください。

 「あぁ、あの場面はスラスラ話せたな!」って感じで、ポジティブな経験をポジティブな感情を紐づけることで、新しい思考パターンがより早く構築されます。

 すると、いつも無感情でしているシャドーイングも「いい感じできるやんっ!」って思えるはずです。

 きっと今の自分にはない思考パターンなので、初めは違和感があります。でも、慣れてくると軽い意識でできるようになります。

 できなかったことに焦点をあてるネガティブな思考パターンなのか、それとも、できたことに焦点をあてるポジティブな思考パターンなのかはかなり大きな違いになります。

 吃音を改善するぞ!と勢いよく階段を駆け上がる時に、ポジティブ思考の上りのエスカレーターを駆け上がるのか、ネガティブ思考の下りのエスカレーターを駆け上がるのか。

 このくらいの違いが生まれるので、初めは無理矢理でもポジティブな経験を焦点をあてて「できた」を認識してみてくださいね!

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