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吃音で悩む人の薬の使い方

吃音
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 「吃音は薬で治らないのか?」

 僕も昔に、薬ってあるのかな?と思って精神科に行った記憶があります。その時は、不安感を取り除くような「抗うつ剤」的な薬をもらったような・・・

 もし、薬で吃音が治るなら「試したい!」って人は多いと思います。でも、残念ながら吃音に効果があるという認可されてる薬はありません。

 でも、論文で有用性が認められてるもののあります。認可されてない理由や、薬学的な面からみた吃音者の特徴を知ると、また違った視点から特徴や対策を考えることができそうです。

吃音と薬物治療の流れ

 吃音には薬は効果がないと思われていますが、実はそんなこともありません。吃音に効果のある薬として数多くの薬が挙げられています。

その一部を紹介します。

ハロペリドール、オランザピン、リスペリドン、アセナピン、アリピロラゾール、ルラシドン、パゴクロン、メチルフェニデート、クロニジン、オクスプレノロール、ベラパミル、カルバマゼピン、フェネルジン、パロキセチン、セルトラリン、ミアンセリン、クロミプラミン、デシプラミン、ピモジド、チアプリド、ベタネコール、ボツリヌストキシン

たくさん薬の名前を出しました。でも、薬の種類を覚えるのはナンセンスですね。。

この薬がどんな薬なのかが重要なわけです。「(薬名) 効果」みたいな感じでネットで調べてもらうとすぐに出てきますが、ほとんどすべての薬が「不安感・イライラ・緊張を抑える薬」です。

この薬物治療の過程で「ドーパミン過剰説」があります。通常のドーパミンの働きとしては

  • 「意欲」「運動」「快楽」に関係する神経伝達物質
  • 「気持ちが良い」「心地良い」と感じると出る

これだけ見ると、良さそうな働きなのですが、吃音が出る時にはドーパミンが過剰に分泌されることがわかっています。ドーパミンが過剰に分泌されるとどうなるか?

  • ドーパミンの過剰状態などが緊張が起こり、神経系でトラブルが起きる

と考えられている。実際にドーパミンを抑える薬で吃音が改善した例もあるのでそちらも紹介します。

吃音者のドーパミン過剰説

 1997年にアメリカのジョセフ・ウーらが重度吃音者3名とひ吃音者6名を計測したところ、仮説のどおりに吃音者のドーパミン活動が過剰であることがわかりました。

 また、アメリカのジェラルド・マグワイアらが2000年、16名の吃音者たちで、8名にはプラセボ、他の8人にはドーパミンを抑える薬のリスペリドンを使用します。この結果、リスペリドンの方がプラセボより効果があったため、吃音軽減に有用だとされています。

 他のドーパミンを抑える薬でも、実験が行われていて、2004年にはオランザピンを服用した群で33%、プラセボ群で14%の軽減が確認されています。

 吃音には効果があったのですが、同時に鎮静作用が強く出て副作用もありました。副作用として眠気ふらつきがでてしまいました。どちらのドーパミンを抑える薬も統合失調症をなどの患者に使う薬なので、普通に起きておくのが難しいほど副作用がでるので、現実的に仕事などができる状態ではなくなるようです。

 また、他にも抗不安剤のパゴクロンの実験もしていて、その結果はパゴクロン群が19.4%の頻度軽減、プラセボ群は5.1%の頻度軽減という結果になりました。しかし、この実験でも副作用が確認されて、12.5%が頭痛8%が疲労感を訴えました。

 この実験はアメリカでのものですが、結果的にはまだアメリカで吃音に有効であるとする認可された薬はないのが現状です。

二次的な症状は薬でも対応可能

 先ほどの例もあり、吃音自体に有効である薬はまだありません。でも、吃音による二次的な症状には薬は有効である可能性があります。

 二次的な症状というのは、例えば、発表の場面で緊張や不安・動悸・汗が止まらないなど自律神経の過剰な活動のことを表します。

 吃音自体ではなく、こんな感じの二次的な症状が強ければ、吃音はより強くでてしまうので、二次的な症状を抑えて、吃音を小さくするという方法は有効である可能性もあります。

 薬を使い時は
一時的な緊張や不安を取り除く

 吃音と薬についてはまとめてきましたが、結果的に、吃音自体に大きく有効な薬はまだないのが現状です。もし、吃音があることで過度な緊張や不安があるという場合であれば、その不安や緊張を抑えるために、一時的に薬を服用することはアリと判断できます。

 緊張などによって実際の自分の吃音よりも大きくでてしまって、「自分はダメだ…」って感じに自信を無くしてしまうのであれば、一時的に薬を使って「うまく話せた!」と自信をもつと、話すことに良い印象がつくので、吃音の症状も軽減する可能性がありますね。

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