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吃音の子供の親が子供にどんな反応をすればいいのか?

吃音
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 吃音の子供がいるお父さんやお母さんは、子供と話をする時、特に、子供の吃音がでてしまった時にどんな反応をすればいいのか迷っている人もいるのではないでしょうか?

 吃音を指摘したり、からかうような人はいないと思いますが、良かれと思って

  • ゆっくり話していいからね
  • 緊張しなくていいからね

みたいな声かけをしていませんか?

 この言葉を子供がどう受け取るかによって、その後の影響はかわりますが、悪い影響を与えた場合は吃音がひどくなる可能性もあります。

 この記事では、「子供と話す時に、どう反応すればいいのか?」を解説します。吃音治療の1つの方法として、オペラント学習というものが注目されています。この実験からわかる研究結果と僕自身の体験なども含めて、とるべき反応を紹介します。

 お父さん・お母さんの意識を変えて、お子さんと接してあげることで、時間とともにお子さんの吃音が軽減していく可能性を高めることができます。まだ、お子さんの年齢が小さい場合は「いつの間にか治ってる」というケースも多く見られるようなので、1つのチャンスになりますね。

オペラント学習とは何?

 まず、吃音治療におけるオペラント学習の研究や効果を先に紹介します。オペラント学習っていうのは吃音の治療法の名前ではなく、学習方法の名前になります。 

 アメリカの心理学者のバラス・スキナーが提唱した行動強化の手法になります。オペラント学習の行動パターンは4つに分かれます。

  • 1,正の強化:「与えられた」ことで行動が増える
  • 2,正の罰:「与えられた」ことで行動が減る
  • 3,負の強化:「取り除かれた」ことで行動が増える
  • 4,負の罰:「取り除かれた」ことで行動が減る

 吃音に関する研究では、4の「負の罰」が使われることが多いようです。つまり、「負=吃ること」を取り除くことで、吃る現象は減る。ということです。少し、わかりずらいかもしれませんね。どんな実験が行われたのか具体的に紹介しますね。

  1968年にサミュエル・K・ハロルドソンら4人の吃音者に行った研究になっています。

【研究内容】

吃音者に赤い光がついたら、話すのをやめるように指示します。そして、赤い光が消えるまで黙っておくように伝えます。

その条件のもとで、セラピストを話をしてもらい、吃音がでたら、赤いランプ10秒間を光らせます。すると、赤い光がでている間は吃音者は黙っています。

これを繰り返します。

 この研究で、吃音でた時に会話をストップさせて吃音がでる時間をできるだけ短くします。そして、流暢に話している時間を長くします。

 そうすることで、「吃音の時間」を取り除くことで、吃音以外の流暢に話す時間を増やすということです。

【研究結果】

この研究結果によって、88%以上も吃音が軽減するという結果になりました。赤い光は1秒でも5秒でも、10秒でも同じ結果になったようです。

ちなみに、この研究は難発性よりも連発性の吃音に効果がありました。

 今回のオペラント学習に限らず、吃音治療の場合「難発性」より「連発」「伸発」の吃音の方が効果を得やすいことが多いですね。

 吃音の発症も段階も「連発」「伸発」から「難発」に変化する場合が多いので、「難発」の方がより重度の高い吃音と判断できます。

この実験のポイント

この実験のポイントは、普段の会話では「流暢に話す」「吃音が出る」が混在しています。

それを「正=流暢に話す時間」「負=吃音が出る時間」に分けて、負の時間を短くすることで相対的に正の時間を強化できたということです。

 この実験から、わかることは「正」を大きくして、「負」を小さくすると、「正」が大きくなる行動をするということです。吃音に置き換えると

  • 1,流暢に話す時間を増やす
  • 2,吃音で話す時間を減らす

 この2つのうちどちらか、もしくは両方になるように行動すると、吃音が軽減していくと考えることができます。具体的には

  • 1,流暢に話す時間を増やす
  •   → 歌を歌う、リズム発話、独り言、斉読、シャドーイングなどの時間を増やす
  • 2,吃音で話す時間を減らす
  •   → 吃音が出た時に、一度会話を仕切りなおす

ということが考えられます。

正の印象を強くして
予期不安を減らす

 さらに、この結果を大きくとらえるとそれぞれの印象の強弱をより大きく与えると、効果アップもできると推測できます。

 「正:流暢に話す時間」を長くして「負:吃る時間」を短くするっていうのは、ただ物理的に時間だけも問題だけでなく、心理的な印象にも大きく影響されると思います。

 「吃音は、吃音を意識しだすと症状がでてくる」的な発想で、吃音が出たとしても本人が吃音を吃音と思っていなければ、「あ、吃るかも・・・」のような予期不安もありません。きっと、こんな予期不安が全くない状態が続けば吃音がどんどん減っていくでしょう。

 でも、逆に予期不安がどんどん大きくなればなるほど、話す回数や、話す時に緊張がどんどん大きくなって吃音がひどくなる可能性が高いです。

 なので、オペラント学習で正の時により大きな印象を与えて、負の時の印象をより小さくすることで、より正の行動にすすむと考えることもできます。

本人がもつべき心構え

 こう考えると、本人がもつべき心構えも自然に導き出されます。「正」をより印象的に、「負」の印象を小さくすればいいのです。

  • 1,上手く話せたとき:喜ぶ。自信に感じる。ガッツポーズをする
  • 2,上手く話せなかった時:気にしない。記憶から消す。すぐに忘れる

 こんな感じの心構えでいるべきです。

 もちろん簡単ではありません。理論ではわかっていても、心のコントロールはそんなに簡単にできません。僕も吃音がでて上手く話せなかった時は泣きたくなるくらい落ち込みます。

 でも、理論を知っておくと、一時的には落ち込んでも、少し復活した時に意識して「大丈夫!」って言い聞かせることで吃音の減少にむかうことができます。

 逆に、この理論を理解しておこないと、「やっぱり自分はダメだ…」と感じるようになります。どんどん「負」の印象が強くなってしまうので吃音が悪化する可能性もあるので、理論を理解して自分のすべき対処法をもっておきましょう。

親がもつべき心構え

 もし、本人ではなく親の場合はどうするべきか?親がもつべき心構えも目的は同じで子供の「正」の印象を強くして、「負」の印象を小さくすることです。

 オペラント学習のように時間という軸で行動を促すのであれば、「正」の時間を長くして、「負」の時間を短くします。

 例えば、お子さんが小さければ、一緒に本を読んだり(=斉読)、歌を歌ったり、上手に話せたときは思いっきりほめてあげるのがいいですね。

逆に、子供が言葉に詰まって上手く話せない様子の時は気にしない「え、詰まってた?」くらいの感じで接してあげることで、子供の「あ、上手く話せない。。。」という負の印象をできるだけ小さくしてあげる行動をとってあげてください。

僕の個人的体験
家族の言葉遣いは超重要

 これは僕の個人的な体験になりますが、僕が小さい時は、祖父・両親・兄弟3人で住んでいました。

 全然、家庭環境が悪いとかは思わないですが、正直、小さい時から祖父と父が結構怖かったです。今は祖父が死んだのですが、父と話をする時は少し緊張します。

 父の性格が怖いとかではないのですが、言葉遣いがあまり好きではないんです。ちょっと言葉がキツイんですよね。ニュースとかテレビ番組に向かってコメントしてるんですが、きつい言葉が出るたびに、ちょっとズーンって心が重くなります。

 子供は雰囲気とか言葉遣いをより敏感にうけとります。なので、会話一つとってもどんな言葉を使って話すのか、話す時の雰囲気などで緊張する場面はできるだけ少なくしてあげてほしいなと思います。

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