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吃音は自発話への注意をそらすことが大事

吃音
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 吃音の治療法は明確に確立されていないものの、その原因やどういう状況になればいいのかというのは少しずつ明らかになっている。

 吃音者に共通するのは、

  • 歌う時は吃らない
  • 独り言は吃らない

といった、一定の特徴があります。個人的にもこれらに共通するのは「話すこと以外へ意識が向いている」ということでした。

 これは、学術的にも仮説はあって、今回は「吃音がでる=発話に注意しすぎる」ってことを証明するようなものを紹介します。

発話への注意が吃音をうむ
実験の内容

 今回の実験は「復唱」「シャドーイング」の比較になります。復唱とシャドーイングの違いとしてはこのような仮説があります。

  • 復唱:「聞く」と「話す」をそれぞれ行うので発話に意識が向きやすい
  • シャドーイング:「聞く」と「話す」と同時に行うので発話に意識が向きにくい

もし、この状態でシャドーイングが流暢に話せるのであれば、「吃音のでる状態=発話に意識が向きすぎている」ということがわかります。

実験の内容と結果

 今回の実験の内容を紹介します。今回はこちらを参考にしています。

参加者は, 吃音者12名(男性10名, 女性2名, 平均年齢28歳)であり、実験は防音室内で行った。シャドーイングと復唱で同じ課題文の場合と異なる課題文の場合を比較した。 阻止は聴覚的印象と音声分析ソフトでのスペクトログラムの確認によって判断された。 阻止の頻度を算出し、出現頻度によって参加者を群分けした。

この結果としては

  • ① 課題文の同異に関わらず、復唱で阻止が多い話者と少ない話者の2群に分かれた。
  • ② 復唱で阻止が多い話者はシャドーイング中の阻止の頻度が有意に少なかった。
  • ③ 復唱で阻止が元々少なかった話者はシヤドーイング中も阻止が少なかった。

 この結果から、わかることは復唱では吃ることが多くてもシャドーイングでは吃る回数が減るということが明らかになっている。

結果からわかること

 この実験でもわかるように「吃音=発話への意識が向きすぎている」ということ間違いないと思っています。

 僕は、これを思った時に少し希望をもつことができました。意識が向きすぎてできないことは他にもたくさんあるように感じます。

 これは僕の個人的な考えなので、何か証明されているものではありませんが、運動系のものは初めはほとんど全てここから初めるように思います。

 例えば、自転車に乗る時。自転車もいくつかのことを同時にしなければいけません。バランスをとる。ペダルをこぐ。ハンドルを操作する。といった風に。

 すでに、自転車に乗れる人は何も意識していませんよね。上手く乗れる人で「バランス」「ペダルをこぐ」「ハンドル操作」を常に意識している人がいません。どうしてるかと言われれば「感覚」と答えるでしょう。無意識にできてしまうのです。

 他にも、スキップなんかがこれにあてはまるかもしれませんね。スキップができない人はきっと「足をあげて」「ステップを踏んで」「足をおろして」って感じで段階的に意識を向けているのだと思います。

 スキップができる人は初めはそうだったかもしれませんが、練習をすると、意識ではなく「感覚」になります。脳が「スキップをする」という命令を出すと無意識にできるようになります。

 きっと、吃音も同じです。自転車に乗れるようになったように吃音も改善ができると信じています。まさに「吃音を忘れた時に吃音が治る」ですね。

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