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吃音における低強度認知行動療法の有効性

吃音
この記事は約3分で読めます。

 今回の事例ははこちらを参考にしています。

今回は認知行動療法を使った吃音治療の事例になります。認知行動療法とは?って人もいるでしょう。認知行動療法とはこちら

認知療法・認知行動療法は、認知に働きかけて気持ちを楽にする精神療法(心理療法)の一種です。認知は、ものの受け取り方や考え方という意味です。ストレスを感じると私たちは悲観的に考えがちになって、問題を解決できないこころの状態に追い込んでいきますが、認知療法では、そうした考え方のバランスを取ってストレスに上手に対応できるこころの状態をつくっていきます。

https://www.ncnp.go.jp/cbt/guidance/about

 もっとわかりやすく解説すると、何かが起きた時に「どう考えるか」「どう受け取るか」をコントロールする治療になります。

 低強度認知行動療法とは、簡易的な認知行動療法という意味です。本来の「認知行動療法」とは従来12回程度の構造化された面接を行い、精神科医や臨床心理士が行う治療法をいいます。

 しかし、現実的に専門家の数や時間的にすべての人が認知行動療法をうけるのが難しいのがわかります。そこで簡易的な「低強度認知行動療法」を用いることで提供する人を専門家に限定しないことや、短い面接を何回か提供することで対応ができます。

今回の事例の手順と結果
治療の手順

 今回の治療の手順は下の表の通りになります。(画像をタップすると拡大できます。)

箇条書きでも手順を紹介しておきます。

  • 各診察の間隔は1か月。クライアント都合で最大2か月
  • 初心は90分の面接。2回目以降は30~60分程度
  • 治療効果は初回と5回目を比較
治療の経過報告

■ 初診時 

  • 問診や各検査。認知行動療法についての説明

■ 2回目

  • 吃音についての理解、予期不安、社交不安に気づく
  • 予期不安や社交不安を対処することが吃音治療になることを説明

■ 3回目

  • 吃音と社交不安について理解し、暴露療法の原則を理解
  • 電話や注文といった避けがちな場面をイメージして慣れていく

■ 4回目

  • 吃音はリハーサル(発話へ意識すること)が増悪因子であることを説明
  • 「吃音が生じるかどうか」というリハーサルに注目するのではなく、それ以外に視点をうつすことを実践

■ 5回目

  • これまでのまとめ
  • 効果判定として検査を実施
今回の事例の検査結果

 検査結果はこちらになります。比較は初回と5回目との比較になります。

  • S-24:コミュニケーション態度を評価する指標
  • LSAS-J:社交不安障害の指標
  • OASES-A:WHOの国際生活機能分類のモデルに基づき4つのセクションから包括的に評価する質問紙
  •  →セクション1:全般的な情報
  •  →セクション2:吃音へのあなたの反応
  •  →セクション3:日常の状況でのコミュニケーション
  •  →セクション4:生活の質

 結果をわかりすく解説すると、「LSAS-J:社交不安障害の指標」「OASES-A:WHOの国際生活機能分類のモデルに基づき4つのセクションから包括的に評価する質問紙」2つで改善という結果になった。

 逆に、「吃音頻度」「S-24:コミュニケーション態度を評価する指標」では有効性が認められるほどの結果にはならなかった

個人的な考察

 今回の事例の結果からわかることは「社交のコミュニケーション」や「積極性」は向上したことがわかった反面、吃音頻度自体の有効性は成果がでなかった、という結果になりました。

 この結果は良くも悪くも両面でとらえることができます。

 良い面としては、吃音頻度の有効性がないものの、社交不安が軽減しているので、予期不安が減少する可能性もあるので、積極的なコミュニケーションを継続できれば吃音頻度の軽減も期待できるという視点です。

 悪い面としては、社交不安が軽減しているもの吃音頻度が軽減していないので、時間とともに社会不安が元に戻る可能性が高いとも言えます。

  5回の面接での結果なので、4か月間での結果ということになります。4か月間での成果と判断すると少し心もとない印象である結果となった。

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